大判例

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東京高等裁判所 昭和47年(う)2394号 判決

被告人 梁桂鎔

〔抄 録〕

本件広告印刷物の下段部分は、真物である日本銀行発行の一万円紙幣との紙質、印刷技術、寸法、すり込み文句等の相違にもかかわらず、これを通貨及証券模造取締法一条にいう「紛ハシキ外観ヲ有スルモノ」の製造に当たるものと判断するが、これは、中段部分との切断という行為があって、はじめて完了するものというべきであるから、同法条の製造罪の未遂罪を処罰する規定がなく、かつ、記録によれば、右のように切断した事跡のみるべきものもない本件においては、被告人の本件所為は、結局処罰の根拠法条を欠くものといわなければならない。

以上に説示したとおりであるから、被告人の本件所為は、処罰の根拠法条を欠き、罪とならないものを有罪としたもので、法令の解釈適用を誤ったものというべきであるから、論旨は、理由がある。

(堀 平野 和田)

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